株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。
第75期(2023年4月1日~2024年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の政府方針の転換に伴い、社会経済活動の正常化が進むとともに、個人消費やインバウンド消費の増加、雇用・所得環境の改善等により持ち直しが見られました。一方、地政学リスクの高まり、各国金融政策の違いから生じる円安進行等の影響により、先行きは依然として不透明であります。
このような状況の中で当社グループは、基本方針として「新しい価値の創造」「利益の創出と社会的使命の両立」「人材の戦略的活性化」「次世代DX卸ビジネスモデルへ向けて」を定め、特に具体的な施策として「構造改革の更なる前進」「ESG経営の推進」の2つを進めております。「構造改革の更なる前進」については、①収益性の向上 ②利益を伴った売上拡大 ③在庫・物流改革に取組んでおり、「ESG経営の推進」については、①環境への対応 ②社会との調和 ③ガバナンスの強化に取組んでおります。この方針及び施策のもとグループ各社一丸となり、企業価値向上並びに業績向上に努めました。
企業間競争がますます激しくなるスポーツ用品市場において、当社はスポーツカテゴリーの中でも特にアスレチックス、チームビジネス及び外商ビジネスの強化が奏功し、また、ECビジネス等で売上は好調に推移した反面、物流改革のための西日本物流センター移転に伴う投資の増加や自社品の製造原価率アップ等の要因もあり、その結果、当連結会計年度の売上高は51,957百万円(前期比4.1%増)、営業利益は876百万円(前期比12.1%減)、経常利益は1,021百万円(前期比16.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は810百万円(前期比10.5%減)となりました。
今後の見通しにつきましては、長期化するウクライナ問題や中東情勢といった地政学リスク、中国の不動産不況や米国大統領選挙等の海外要因に加え、日本国内における物価上昇の高まりや金融政策の変更等による経済の行方、為替相場の影響等の不確実な要因が多くあり、いずれも経営を圧迫する要因となり得るため、引き続き不透明な状況が続くと見通しております。
このような大変厳しい環境の中、当社グループは中期経営スローガンとして「一致結束して目標を突破し、共に成長する」を掲げ、安定して継続的に利益を創出できる体質へと変革を進めてまいります。現在進めている構造改革として、粗利率アップ、在庫流動性アップ、MD力アップの「3つのアップ」を、自社品、アスレチックス各カテゴリー及び各ブランドにおいて実現することにより収益性を高めるとともに、人的投資や物流・DX投資によって生産性を高めてまいります。また、推進しているESG経営として、サステナビリティやSDGsへの対応、働き方改革から働きがい改革へ、また、ダイバーシティの実現に加え、コンプライアンスやリスク管理についても、より一層の強化に努めてまいります。
株主の皆様におかれましては、さらなるご支援とご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願い申しあげます。
ゼット株式会社
代表取締役社長